シャンプーのお話
◆シャンプーは重要
『シャンプー剤』選びや、『シャンプーの仕方』は、髪と頭皮にとって、とっても重要です。
■「髪の毛が薄くなってきた」
■「髪の毛が細くなって、こしがなくなってきた」
■「髪がパサついてきた」
■「癖がきつくなってきた」
■「毛染め・パーマのもちが悪い」
■「白髪が増えてきた」
■「フケが気になる」
等の症状に心あたりのある方は、シャンプー剤を見直してみたほうが良いと思います。
健康で美しい髪は、お顏でいうと『基礎化粧品』選びで決まるようなもの!
◆シャンプーの基本的な選び方
2002年4月から化粧品の全成分表示が義務づけられました。
中でも注意が必要なのは、『表示指定成分』(旧指定成分)と呼ばれるものです。
『表示指定成分』とは、簡単にいうと
アレルギーを起こす可能性があり、シャンプー剤の中に入っている場合は必ず表示するよう義務づけられた成分です。高級アルコール系の界面活性剤は表示指定成分に含まれています。
ボトルに表示してある成分から判断する他に、シャンプー時の手触りや泡立ちを見てシャンプーのよしあしを判断することもできます。多分皆さんはこの部分を重視されているのではないでしょうか。
シャンプーは汚れを落とすのが本来の目的ですから、洗っている時にあまりにやさしい手触りがあるのは不自然なのです。洗い上がりの髪本来の手触りよりもしっとりした感じ、ぬるぬるした感じがするものは、強い洗浄力で起こるきしみを抑えるために、油分などが入っている場合が多いのです。
泡立ちは細かい泡がすぐにたって、ある程度の時間がたったらすっとひいていくようなものを選ぶと良いでしょう。泡立ちが悪いとキューティクル同士が摩擦しあってはがれてしまいますし、いつまでもしつこく泡がたっているものは起泡剤が入っていて、刺激が強すぎる可能性があります。
※旧指定成分の中で代表的なものをいくつかあげておきます。
・ジメチコン
・ラウレス硫酸Na
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩
・ポリエチレングリコール
・ポリエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム
・ラノリン
・プロピレングリコール
・安息香酸 ・パラベン
・エチルパラベン
・プロピルパラベン
・メチルパラベン
・プチルパラベン
・エデト酸塩
・香料
・×色△号
◆毛髪の水分量
毛髪の理想的な水分量は11~13%で、この状態の時髪はしっとりと落ち着いています。乾燥毛やくせ毛はこれよりも水分量が少ないので、パサついたり、ふくらんでボリュームが出てしまうのです。
この場合、保湿効果があるシャンプー剤が適しているわけですが、界面活性剤自体が保湿効果を持っているのはアミノ酸系です。さらにたんぱく質系、糖類系のシャンプー剤には、毛髪に水分を取り込む効果が期待できます。
一方、高級アルコール系のシャンプーで「保湿効果あり」とされている場合は、油分やコーティング剤を配合して、毛の表面にしっとりした感じを出していることが多いようです。
◆毛髪の等電点
「酸性シャンプーは髪にいい」と聞いたことがある人は多いかと思います。
毛髪はPH4.5~5.5の弱酸性のときがいちばん安定している状態です。
このバランスが崩れてアルカリに傾くと毛髪が膨潤してキューティクルが開き、たんぱく質が流れ出してしまいます。
つまり、ウロコが起きているような状態でシャンプーして摩擦するわけですから、キューティクル自体もはがれやすくなるのです。また、過度に酸性状態になると毛髪は収れん作用を起こしてしまいます。
そういうわけで弱酸性のシャンプー剤が良いということになるのですが、界面活性剤が弱酸性なのはアミノ酸系(含たんぱく質系)だけです。高級アルコール系の界面活性剤はアルカリ性のものが多いのですが、それでも「酸性シャンプー」とされているケースがあります。これは酸性配合物や酸性成分を入れることによって、アルカリ性を弱酸性に調整していることを知っておいて下さい。
また、化学的な中性点はPH7.0ですので、それより低ければ弱酸性と表示できます。
毛髪や頭皮の中性点と、化学的な中性点には差がありますので、くれぐれも騙されないように!
◆生分解性について
環境問題に意識的な人が増えるにつれ、生分解性に優れたシャンプー剤が求められるようになりました。
生分解性のあるシャンプー剤は、下水に流された時にバクテリア分解されてしまうので、河川を汚染する心配がありません。
石けん系、アミノ酸系、たんぱく質系、糖類系の界面活性剤には生分解性があります。
高級アルコール系の生分解性は高くありません。
シリコンやフッ素樹脂など、界面活性剤以外にもシャンプー剤には生分解性のない成分が含まれている場合が多いので、今後さらに注意が必要になってくるでしょう。